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橋本 和幸; 松岡 弘充
Radiochimica Acta, 92(4-6), p.285 - 290, 2004/07
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Chemistry, Inorganic & Nuclear)リン酸基を含む有機配位子を放射性レニウムで標識した化合物は、骨へ集積するために、骨がんの疼痛緩和薬剤としての利用が期待されている。これまでの種々のリン酸基を含む配位子のRe標識化合物の研究から、Re担体の有無により、標識率や安定性及び骨の無機質の主成分であるヒドロキシアパタイトへのRe-EDTMPの吸着挙動に違いがあることがわかった。この要因として、「担体の有無による化学形の違い」が考えられるが、Re標識リン酸化合物の化学形に関しては、無担体の化合物の知見が全くないため担体の有無による化学形の比較・考察ができない。そこで本研究では、Re-EDTMPのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)及び限外ろ過膜を用いた分析を行い、化学形に対するRe担体の影響を調べた。その結果、Re-EDTMPは、複数の化学種の混合物であり、担体の有無によりその化学種分布が異なること,その分子サイズの分布も、担体の有無により異なることなどがわかり、担体の有無によるRe-EDTMPの化学形が違いを実験的に初めて明らかにした。したがって、担体の有無による標識率,安定性及びヒドロキシアパタイトへの吸着挙動の違いの要因は、担体の有無による化学形の違いであると結論付けた。
上沖 寛; S.Mirzadeh*; R.M.Lambrecht*; R.Knapp*; K.Dadachova*
Radiochimica Acta, 65, p.39 - 46, 1994/00
アルミナカラムにWを吸着させたWReゼネレータを調整し、種々の溶離液を用いてReの溶離収率、Wのブレークスルおよび放射性核種的不純物等の諸特性について3ヶ月間にわたり調べた。また、溶離液量を減少させるとともに高純度のRe溶液を得るために、アルミナカラムに陰イオン交換樹脂カラムを連結したタンデム型ゼネレータについて検討を加えた。アルミナに対するタングステンの分配係数は0.05M硝酸アンモニウム溶液中で~8400であり、この液性において強くアルミナに保持されるのが認められた。ゼネレータからのReの溶離収率はタングステン量の影響をほとんど受けないことがわかった。これらの検討の結果、生体医用として本ゼネレータが有用であることが明らかになった。